音楽監督


音楽監督・鈴木優

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私の音楽活動には重要な二本の柱があります。そのひとつは合唱の指揮、指導です。そしてもうひとつは自らが声楽家として歌うことです。高校生の頃にハンス・ホッターやペーター・シュライヤーが歌うシューベルトやシューマンの歌曲をレコードで聴いて、その繊細で奥深い世界に強い印象を受けました。思えば合唱曲でも、今でも愛着のあるシュッツやビクトリアの音楽を知ったのもその頃でした。その後いろいろ寄り道もいたしましたが、1991年に初めてヨーロッパを訪れたとき、一番居心地が良く感じたのは南ドイツとオーストリアでした。それを期にふたたびドイツ歌曲を歌うことに関心が向かいました。

その頃、三上かーりん先生の教えを受ける機会がありました。シューベルトの〈春の想い〉を歌いました。この曲は「春になって生命がよみがえり、世界は美しくなっていくのだから哀れな心よ思い煩うことはない。今やすべては変わっていくのだから」といった内容です。その前年に私はおそらく自分の人生で最も悲しい出来事に遭遇しておりました。かーりん先生はそのことを知っておられて、私に「この歌は自分のことだと思って歌えばいい」とおっしゃって下さいました。私は「ああ、それでいいのか」とぼんやり考えましたが、それが自分がシューベルトあるいはドイツ歌曲というものに一歩近づいた瞬間であったように思います。

2年前から聖徳大学大学院に通っています。ここでは多くのすばらしい先生方の指導を受けることができます。修士課程のまとめとしてシューベルトの《白鳥の歌》からの8曲を演奏し、稚拙ながらも《白鳥の歌》のハイネ歌曲についての修士論文を提出いたしました。現在は博士課程に在籍し声楽実技のほかに、和声分析とドイツ語の文献講読の訓練を受けています。こういった理論的な研究がいつか演奏の実践に反映される日が来ると良いのですけれど。年齢を重ねるにつれてシューベルトの音楽がますます好きになってきます。



●鈴木優 プロフィール [PDF]
●リサイタルおよび主な出演コンサート
   リサイタル(シューベルト歌曲の夕べ 他)
   鈴木優の会(其の一~其の六)
   教会音楽(聖グレゴリオの家、北浦和教会 他)
   その他
●論文
   「シューベルト《白鳥の歌》のハイネ歌曲に見る表現の独自性」
   「シューベルトの歌曲におけるドッペルドミナント和音の用法」
●エッセイ
   20年間のプログラムをふりかえって [PDF]
      (「つくば古典音楽合唱団創立20周年記念 定期演奏会演奏の記録1988~2008」に掲載)
   20年間の合唱団の歩みと共に、私も少しは成長できたのでしょうか [PDF]
      (「つくば古典音楽合唱団創立20周年記念 合唱団の歩み1988~2008」に掲載)
   合唱団通信コラム |2009[PDF]|2010|